目次事例集超音波警報機(2)


超音波警報機 (2) 調整



送信周波数の調整

ICの装着、取り外しは必ず電源をOFFにして行って下さい。




送/受信センサーは固有の共振周波数(約40KHz)を持っていて、送信機の発振周波数をこれに合わせる必要があります。
以下に周波数の調整手順を示します。


IC1をICソケットから外し、ソケットの1番および3番ピンを短絡します。これにより、IC2の発振は連続的に行われ、調整し易くなります。
受信回路のIC4の1番ピンを簡易レベル計オシロスコープでモニターします。
送信回路のVR1を回して受信回路での出力が最大になるようにします。

以上で送信周波数の調整は終了です。
IC1の短絡線を外し、IC1を実装します。



検出回路の動作確認

この確認は装置をケースに組み込んだ後に行っても良いのですが、まずは、検出回路が動作するかどうかを確認したい場合に行います。


VR2およびLEDを仮接続します。
VR2の値を最大にします。
センサーから約1mの距離に障害物を置き、LEDが消えることを確認します。
VR2を回し(抵抗値が少なくなる方へ)、LEDが点灯することを確認します。
VR2を少し元に戻し(抵抗値が大きくなる方へ)、LEDが消えるようにします。
障害物を取り除き、LEDが再び点灯することを確認します。

以上の確認ができれば警報機は正常に動作しています。




右の写真は超音波の反射波が検出範囲内の場合の各部の電圧変化を観測したものです。
一番上は超音波の受信波を観測したもので、IC4の1番ピンの波形です。送信超音波と受信波が観測されています。
二番目は送信タイミングパルスで、IC8の1番ピンの波形です。
三番目は警報検出タイマー回路の出力波形で、IC8の11番ピンの波形です。タイマーが送信タイミングでスタートしていることが分かります。
四番目は警報検出回路の出力波形で、IC8の10番ピンの波形です。警報検出タイマーのタイムアウト前に反射波を受信し、反射波検出ゲートが閉じているので、警報検出回路の出力はHレベルのままです。警報は出ていない状態です。




右の写真は超音波の反射波が検出範囲外の場合の各部の電圧変化を観測したものです。
各信号の観測位置は上記の写真と同一です。
この写真では三番目の警報検出タイマーのタイムアウト後に反射波を受信しています。警報検出タイマーのタイムアウト時に反射波検出ゲートが閉じていないので、その時点で警報検出回路の出力はLレベルになります。(四番目の波形)
このLレベル信号は警報出力回路のタイマーのトリガ信号になり、外部に警報が出力されることになります。