目次オリジナル・プリント基板の製作





抵抗器、コンデンサ、トランジスタ、ICなどの電子部品で回路を作成する場合、各部品のリード線を適切に接続することが必要です。 また、各部品を固定する必要もあります。
プリント基板は部品間の配線と部品の固定を行うために使われます。
プリント基板を使わなくても電子回路を組み立てることはできます。配線には線材を使用し、部品の固定には端子板などを使えば良いわけです。実際、簡単な回路などはプリント基板を使用しないで組み立てることもあります。
プリント基板を使用する利点はいくつかあります。

良い物ができる 同じ回路を何枚でも同じ品質で作ることができる。
誰が組み立てても同じものができる。
安くできる
(工業用の場合)
一々配線をしなくても部品を固定(ハンダ付け)をすれば、電子回路を組み立てることができる。
短時間で組立が行え、製造コストを安くできる。
全ての組立を機械化することも可能。
コンパクトにできる細かな配線も印刷技術を利用して作成することができる。

と言うように電子回路の組立にはプリント基板は非常に適した物です。

プリント基板はPCB(Printed Circuit Board)またはPWB(Printed Wiring Board)と呼ばれます。
海外ではPCBと呼ぶのが一般的です。日本では当初はPCBという呼び方でしたが、1960年代にPCBという別の物質(ポリ塩化ビフェニール:Polychlorinated biphenyls(PCB's) 毒物)の公害問題があり、それ以来、プリント基板をPWBと呼ぶようになりました。


プリント基板の構造

プリント基板は厚さ1〜2mmの絶縁板(ベークライト、エポキシ樹脂など電気を通さない材料)に銅箔で配線を張り付けた構造をしています。
銅箔の厚さは30〜40μmのものが一般的です。

絶縁板の両面に銅箔が張られていて、両面に配線パターンが描けるものもあります。
両面の配線を結ぶために工業用ではスルーホールという方法が使われます。これは両面のプリントパターンを電気的に接続するために穴を開け、その穴に化学銅メッキを行って両面のパターンを接続する方法です。自作の場合には小さな穴を開けて、銅線を通し、両側でハンダ付けをすればOKです。

その他にも自作は難しいですが、いろいろな種類のものがあります。
・絶縁板の真ん中に銅板を挟み込み、シールド(両面の配線が電磁的に影響しないように遮蔽する)があるもの。
・絶縁板を多層構造にして、配線パターンが立体的になっているもの。(50層などというものもあります)
・絶縁板がフィルムのように薄いもの。


プリント基板の作り方概要

配線部分の銅箔は配線の形をした銅箔を張り付けるのではなく、配線の部分の銅箔を残して他の部分(絶縁する部分)の銅箔を溶かして無くしてしまう方法で作ります。
ですから、プリント基板を作る素のプリント基板は絶縁板の全面に銅箔が張り付けられているのもを使います。
不要な部分の銅箔を溶かすことをエッチング(Etching:絵画で腐食銅版術)と言います。
銅を溶かすための溶剤としては塩化第二鉄の溶液が使われます。
配線として残す部分は塩化第二鉄溶液で溶けないようにマスク(溶液に溶けない材料で配線パターンを描く)をしておきます。
エッチングをした後、マスクを剥がし、銅の腐食を防ぐためにフラックスを塗ります。

電気製品で使われているプリント基板を見ると、配線面が緑色をしています。これはソルダレジストというものが塗られているからです。
ソルダレジストというのはソルダ(ハンダ)をレジスト(抵抗する)もので、プリント配線にハンダが付かないようにするためのものです。当然、部品のリード線とハンダ付けをするプリント配線部分にはソルダレジストは塗られていません。
工場などで電子回路を組み立てる時には手でハンダ付けをするのではなく、機械で付けます。それはハンダ槽と言われる溶けたハンダが入っている器に部品の乗ったプリント基板を配線だけ浸すように通し、一度にハンダ付けしてしまう方法です。
この時、余分な部分にハンダが付かないようにするためにソルダレジストを塗っておくのです。
ソルダレジストは上記のために塗られているのと、配線パターンの腐食を防ぐ働きもします。自作の場合でも配線パターンの腐食を防ぐ目的でソルダレジストを塗ることもあります。


最近の部品は小型化に伴って表面実装タイプ(SMT:Surface Mount Type)のものが使われます。これは部品のリード線をプリント基板に穴を開けて裏面でハンダ付けするのではなく、配線に直に部品のリード線を付けてしまうものです。この場合、工業用ではハンダ槽は使わず(使えず)に練り状のハンダ(クリームハンダ)が使われます。プリント配線のハンダ付け部分にクリームハンダを塗り、その上に部品を置き、高温で短時間にクリームハンダを溶かし、ハンダ付けしてしまう方法で行います。この方法ですとクリームハンダの量を細かく調整でき、高密度IC(VLSI)のようなものでも、ハンダブリッジ(隣のハンダと一緒に付いてしまう現象)もなく、高密度ハンダ付けができます。パソコンのボードなどはほとんどこの方法が使われています。

プリント配線密度の比較のためにDIPタイプのIC(NE555)を置いてみました。